会社案内デザインのつくり方

企業らしさが伝わる冊子を設計する


会社案内を新しくつくるとき、「何ページにするか」「どんな写真を載せるか」から考え始めるケースは少なくありません。しかし、会社案内は情報をまとめた冊子であると同時に、企業の姿勢や価値観を短時間で伝えるブランドツールです。営業、採用、金融機関への説明、展示会など、使われる場面によって必要な情報も変わります。この記事では、企業理念や事業の強みを整理しながら、読み手にとってわかりやすく、会社らしさが伝わる会社案内デザインの考え方と進め方を紹介します。

Company Story

1.会社を説明する冊子から企業を理解してもらう接点へ

会社案内は、沿革や事業内容を並べるだけの資料ではありません。初めて企業を知る人にとっては、Webサイトや名刺と同じく、会社の印象をつくる重要な接点です。特に対面営業や採用説明会では、担当者の説明を補いながら、会社の考え方や事業の全体像を手元に残せるという冊子ならではの役割があります。


制作前には「誰に、どの場面で、何を理解してほしいか」を決めることが大切です。顧客向けなら強みや導入メリット、採用向けなら働く人や文化、金融機関向けなら事業の信頼性など、読み手によって優先順位は変わります。


会社案内デザインでは、企業理念、ビジョン、沿革、事業内容、実績、社員、拠点などの情報を同じ重さで載せるのではなく、企業らしさを伝えるストーリーとして編集することがポイントです。

  • 会社案内は「会社を説明する冊子」から「企業を理解してもらう接点」へという視点から、

    冊子・Web・デザインの役割を捉える。

  • 制作前に目的・読者・利用場面を整理すると、判断基準を持ちやすくなる。

  • 企業側が伝えたい情報だけでなく、受け手が知りたい順序を意識して構成する。

  • 見た目の好みより、ブランドや事業とのつながりを基準にデザインを考える。

  • 完成後の運用や展開まで含めると、制作物を長く活用しやすくなる。

Three Points
2.会社案内・企業ブランドで押さえたい3つのポイント

判断を整理するために、目的・情報・運用を別々に考えます。3つの視点を組み合わせることで、デザインの好みだけに左右されにくい進め方ができます。

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    #01

    用途を先に決める

    営業、採用、展示会、金融機関への説明など、利用場面を先に整理します。用途が複数ある場合も「最も重要な読者」を決めると情報の優先順位がつきやすくなります。 会社案内・企業ブランドでは、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。

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    #02

    会社らしさを言葉にする

    強み、企業理念、経営姿勢、顧客との向き合い方などを整理し、「この会社は何者か」を一文で説明できる状態をつくります。その言葉が写真や色、書体の方向性を決める基準になります。 会社案内では、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。

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    #03

    読む順番を設計する

    表紙から事業紹介、実績、会社概要へと、読み手の理解が自然に深まる流れをつくります。情報量ではなく、読み終えたときにどんな印象が残るかを基準に構成を考えます。 会社案内・企業ブランドでは、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。

Practical Thinking
3.情報を並べる前に、会社の「伝える順番」をつくる

会社案内を編集するときは、まず掲載候補をすべて出し、その後で削る方法が有効です。

会社概要、事業内容、沿革、実績、代表メッセージ、社員紹介などを一覧化したうえで、「読者が最初に知りたいこと」「理解が深まってから伝えること」「最後に確認できればよいこと」に分けます。例えば技術力が強みの会社でも、最初から専門用語を並べるより、どんな課題を解決している会社かを示してから技術詳細へ進む方が伝わりやすい場合があります。社内では『初対面の相手に3分で何を伝えるか』『競合との違いはどこにあるか』『会社の雰囲気を一枚の写真で表すなら何か』といった問いを使うと、編集方針が見えやすくなります。


制作の途中で迷ったときは、次の問いに戻ると整理しやすくなります。

・誰に向けたものか

・相手に最初に理解してほしいことは何か

・自社らしさを表す要素は何か

・完成後、どの場面でどのように使うか

Company brand touchpoints
4.会社案内・企業ブランドを考える場面・対象

SALES|営業で使う会社案内

商品・サービスの説明だけでなく、なぜ自社がその仕事をするのか、どのような体制で支援できるのかを示します。商談後に社内回覧されることも想定し、担当者がいなくても理解できる構成にします。 会社案内・企業ブランドでは、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。


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RECRUITMENT|採用で使う会社案内

仕事内容だけでなく、価値観、社員の関係性、働く環境、将来像などを伝えます。求職者が自分との相性を判断できる材料を用意することが大切です。 会社案内・企業ブランドでは、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。


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TRUST|信頼形成に使う会社案内

金融機関、行政、パートナー企業などに向けて、沿革、実績、組織体制、社会的な取り組みを整理します。企業としての継続性や姿勢が伝わる構成が有効です。 会社案内・企業ブランドでは、見た目の印象だけで判断せず、読み手や利用場面に置き換えて確認すると、社内での議論もしやすくなります。 3つの対象・場面を完全に分断するのではなく、同じブランドの考え方でつなげることが大切です。企業やプロジェクトによって優先順位は変わるため、最も重要な接点から設計し、他へ展開していく方法もあります。


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Making Process
5.会社案内・企業ブランドを進める5つのステップ

プロジェクトは、いきなりデザイン案をつくるより、背景整理から順に進めた方が判断しやすくなります。以下は基本的な流れであり、規模や状況に応じて調整できます。




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  • STEP 1|目的と読者を整理する


    まず、なぜ会社案内や企業ブランドを見直すのか、その背景と目的を整理します。営業強化、採用、周年、事業承継、ブランド刷新など、きっかけによって必要な内容は変わります。あわせて、誰に読んでもらい、どのような理解や行動につなげたいのかを明確にし、プロジェクト全体の判断基準をつくります。

    [確認したいこと]

    目的/想定読者/担当者/必要素材/スケジュール/判断タイミング

  • STEP 2|未来を整理する


    次に、自社の特徴や価値を整理します。企業理念や事業内容だけでなく、顧客から評価されていること、競合との違い、社員が感じている自社らしさなども確認します。既存の会社案内、Webサイト、営業資料、採用資料なども見直しながら、現在伝えられていることと不足している情報を整理し、デザインの土台となる言葉をつくります。

    [確認したいこと]

    企業理念/強み/顧客評価/競合/既存資料/伝えたい価値

  • STEP 3|構成とストーリーを設計する


    整理した内容をもとに、何をどの順番で伝えるかを設計します。単に会社概要や事業内容を並べるのではなく、読み手が会社を理解しやすい流れをつくることがポイントです。各ページの役割や情報量、写真や図版を使う場所なども考えながら、冊子全体のストーリーとデザインコンセプトを固め、関係者の認識を揃えていきます。

    [確認したいこと]

    ページ構成/情報の優先順位/コンセプト/掲載内容/ページ数/社内確認

  • STEP 4|撮影・デザイン・原稿制作を進める


    構成が決まったら、原稿、写真、図版、デザインなどを具体的に制作していきます。撮影では、人物や仕事風景、商品、空間など、企業らしさが伝わるビジュアルを計画します。デザインは見た目の印象だけでなく、読みやすさ、情報の伝わり方、ブランドイメージとの一貫性を確認しながら進め、実際の印刷サイズや使用場面も想定して検証します。

    [確認したいこと]

    原稿/撮影内容/デザイン方向/視認性/印刷仕様/修正・校正

  • STEP 5|印刷・配布・PDF運用まで整える


    完成後は、印刷して納品するだけでなく、どのように使い続けるかまで考えます。営業資料として配布するのか、採用説明会で使うのか、WebサイトからPDFをダウンロードできるようにするのかによって、必要な仕様も変わります。今後の更新や増刷、内容差し替え、関連ツールへの展開まで見据えて、継続的に活用できる状態を整えます。

    [確認したいこと]

    印刷部数/配布方法/PDF化/Web掲載/更新方法/追加制作

まとめ


会社案内デザインは、情報を詰め込む作業ではなく、企業をどう理解してもらうかを設計する仕事です。まず用途と読者を決め、会社らしさを言葉にし、その内容が自然に伝わる順番をつくります。見た目を整えるのはその後です。営業、採用、信頼形成など用途によって重点は変わりますが、冊子全体を通じて企業の姿勢が一貫していれば、会社案内は長く使えるブランド資産になります。


まずは、現在の課題と『誰に何を伝えたいか』を一枚に書き出してみると、制作の目的が見えやすくなります。自社だけでは整理しにくい場合は、制作物をつくる前のヒアリングや課題整理から外部のデザイン会社へ相談する方法もあります。MERRY BEETLEでは、企業やブランドの背景を整理しながら、目的に合ったデザインと運用の形を一緒に考えています。



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Writer

1986年大阪生まれ。神戸大学卒業後、nendoを経て2016年、MERRY BEETLE設立。モノ・サービスや企業のブランディングにおける、デザイナーと企業の共通言語をつくるべく活動している。好きなものはクワガタ、カブトムシ、ウルトラマン(特にA)、そして焼きそば。


株式会社メリービートル 代表取締役

一般社団法人TOGU 代表理事
堺デザイン協会 理事
大阪デザインセンター(ODC) 評議員

大阪府地域資源活用・地域連携プランナー

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